2020年1月20日月曜日

文章を書く上で基本的な考え方

私の仕事は書籍の編集者です。
書籍の場合、読み手は必ずお金を払って、購入していただいた本を読んでいます。

なので、その本を読むということに対するモチベーションは担保されていると言っても過言ではないでしょう。
わざわざお金を払ってますからね。
ちゃんと読まなきゃ損した気になりますもん。

でも、ネットの文章ってどうでしょうか?

いくら必死に検索して、探し当てた内容だったとしても、基本的には流し読みされることがほとんど。
まぁ、無料ですし、誰が書いたか分からない、もしくは書いてある人が実在するのかも、書いてある内容が事実なのかも不明瞭な中で読まなくてはなりませんからね。
さらに、検索結果で上位にするためにはGoogleのアルゴリズムに評価されなくてはなりませんし、それが嫌だと思ったらソーシャルメディアからアクセスを呼び込まなくてはならず、そのために煽ったタイトルにしていく傾向を感じます。

アクセス数や滞在時間、直帰率、離脱箇所などが分かってしまいますので、ついついテクニカルな方向や安直な煽りを取り入れてしまいたくなる気持ちも分からなくはありませんが…。

でも、書籍の編集者として、そういった傾向に違和感を感じてしまいます。

Googleのアルゴリズムに評価されることに意識がいってしまうばかりに、いわゆる日本語の美しさや書き手の個性といった、いわゆる文章の“芸”という部分がないがしろにされている気がするのです。
このままでは、正しい日本語はGoogleのアルゴリズムが基準になってしまいそうで…(汗)

やはり、ウェブライティングの基本は、インターネットというインフラで、文章を使って伝える技術であって欲しいと切に願います。
伝える技術があった上でのアクセスを呼び込むテクニックでないと、ますますネットの文章に対する信憑性が薄れてしまいますからね。

確かに数字で表す結果も大事ではあると思いますが、もっともっと大切な文章を使って伝えるという基本的な考え方を忘れないでいただきたいと思います。

今年もそんな想いで寄稿していこうと思っているので、よろしくお願いいたします。

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