2015年5月13日水曜日

情報を発信するときに考えるべき優先順位

情報を発信する場合に考えなくてはいけないメリットと優先順位について書こうと思います。

誰でも、何か情報を発信する場合、常に誰かのためになることを意識します。
誰のためにもならない情報であれば、発信する意味がありませんからね。

では、その誰かは誰なのかということから考えてみましょう。

出版であれば、一番最初に思いつくのが読者ですよね。
そして、出版社、著者というところまでは容易に想像できると思います。

そして、もう一歩踏み込んで、社会ということまで意識してください。

情報は、読者が喜べば何でもいいわけではありません。
出版社にとっては売れなければ意味がありませんし、著者にとっては大変な思いをしてわざわざ情報を発信する以上、何かしらの見返りがないのであれば、やる意味がありません。

でも、それだけではなく、その情報を発信し、受け取った人間がそのコトを活かすことによって社会的に意義があるかということまで考える必要があるんです。

もし、自分が発信した情報を活用して、犯罪が頻発するような社会になってしまったら、どうでしょうか?

昔、「完全自殺マニュアル」という本がありました。
この本には、痛くない自殺の方法や死んだ後も誰にも迷惑をかけない自殺の方法、美しく自殺する方法などが書かれていたのです。
当時、中高生がいじめなどで自殺をすると、よく部屋の中からこの本が見つかったものです。

あまりにセンセーショナルな内容だったので、ベストセラーになりました。
売れたので出版社は大喜び、著者もテレビに引っ張りだこ、マニアな読者からも絶賛の嵐という状況だったのを覚えております。

しかし、その結果、この本を読んで安易に自殺をする若者が増えた事実もあります。

では、この著者は、本当にこの本を出版したことを後悔していないのでしょうか?

著者として、面白い本を作ろうとした結果、できあがった本なのかもしれませんが、このような影響を与えてしまった以上、決していい気持ちではないでしょう。
たぶんですが、こうなる予測はできたとも思うんです。

これは、ちょっと大げさな事例かもしれません。
もっと身近な事例をお話ししますね。

先日、某所で開催された出版企画勉強会で、ある方が業界の抜け穴を狙ったある方法の企画を提案されました。
(分かりやすくいうと、「出版社の弱みにつけ込んで出版する方法」みたいな企画です)

間違いなく、読者が知りたい情報です。
そして、売れそうなテーマなので、出版社に企画書を出せば間違いなく通るでしょう。

でも、この情報を表に出すということは、その本を読んだ読者が、みんなそのことを実行する可能性があるということです。
そうなったら、その業界に多大な迷惑をかけることになります。
そして、迷惑をかける原因を作ったその著者は、間違いなく、その業界から干されるでしょう。

結局、何がいいたいのかというと、何か情報を発信する場合、お金を出してくれる出版社、本を買ってくれる読者、そして、発信する本人である読者にとってのメリットを考えます。
ここまでは間違いではないのですが、もう少し視野を広く持って、その情報が広まった先に明るい未来があるのかどうかというとことまでを見据えて欲しいということです。

どうしても、コンテンツを作っていると、目先で関わる方々のメリットばかりを考えがちですからね。

少し肩の力を抜いて、ちょっとだけ視野を広げてみてください。
私は、自分の作った本は、娘に読ませても恥ずかしくない本しか作らないと決めています。
そうすることで、その情報を世に出す影響ということを、自然と意識するようになりました。

皆さんも、一度、そんなことを考えてみてください。

ソーシャルメディアがこれだけ普及した以上、これからは情報を発信する側の責任というものが、どんどん重くなるはずですよ。

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