2015年12月18日金曜日

文章を書く目的を考える

最近、コンテンツSEOとか、コンテンツマーケティングという言葉をよく耳にします。
それに伴って、ブログやFacebookといったソーシャルメディアを活用して、ビジネスに活用しようという流れも定着し、文章術の書籍なども売れております。

しかし、ビジネスに活用することを目的に文章を書く場合、重要なのは文章力ではなく、記事力です。

文章の多少の“てにをは”のミスや誤字脱字よりも、そこに何が書かれていて、読者が何を感じ、どう動くかの方が重要になります。
簡単に言えば、何でもいいから文章を書けばいいというものでないと言うことです。

書いた記事の向こうには、必ず、人間がいます。
その人間に何を伝え、その読者を自分の思った方向に導けなければ、その文章に意味はありません。

では、文章を書いて、読者をどうしたいのか?

例えば、一見客を見込み客に替えようと思ったら、最初に読まれる文章で信頼感を与えなければなりません。
一見客は、何気なく検索エンジンでキーワードを入力し、アクセスしてくるお客さんです。
検索エンジンから来るお客さんは、悩んでいるからキーワードを入力します。
そして、その検索結果からアクセスする場合、それが誰が書いた記事なのかよりも、そこに自分の悩みを解消する答えがあるのかを見ます。
なので、一見客を見込み客に替えるためには、検索エンジンに入力するキーワードをイメージして、そのキーワードから悩みを推測し、その解を記事に書かなければなりません。
つまり、ノウハウ記事ということになります。
そのノウハウ記事を読んで、スッキリと悩みを解消できたら、その読者はその記事の読者に信頼感を持ち、他の記事も読むようになります。

そして、見込み客を潜在顧客にするためには、この人の記事をもっと読みたいと思わせる必要があります。
そのためには、例えば、読者が求めている大きなテーマを連載記事のように書いて、「一回では読み蹴れない」「続きを読みたい」というような感情を抱かせればいいのです。
そうすることで、読者登録やブックマークへの登録をしてもらうことができ、じっくりと顧客教育ができる状態にすることができます。
並行して、今までの実績の紹介などもアップして、自分の凄さを伝えることでさらに求心力が高まります。

その上で、潜在顧客を新規顧客にするためには、販売記事や集客記事を書かなければなりません。
「なぜ、必要なのか」「それでどうなれるのか」ということをイメージさせ、必要性を訴えて、実際に購入してもらうということです。
他にも、顧客教育が必要な場合は、過去の成功事例や失敗事例なども紹介して、「それをやればいんだ」「それをやったらダメなんだ」ということを自ら考えるように仕向けておきます。

新規顧客になったら、今度はリピーターですよね。
何度も買っていただくために、新規顧客への感謝を伝え、その人たちの効果や声を紹介していきます。
その時に、自分のコトのように書くことで、顧客の心は鷲掴みされ、リピーターへ変わっていきます。

最後にリピーターをファンにしていくためには、絶対的な信頼関係が必要不可欠です。
なので、がっつりえこひいきををしてあげましょう。
よいしょ記事になるぐらい持ち上げて紹介してあげます。
そして、たまにはお願いをしてみてもよいでしょう。
ファンは、たまに頼ってもらえると、すごく喜びますからね。

このように、読者のレベルによって与えなければいけない感情が違いますし、導く先も違います。
そこが違えば、当然、書く内容も違うし、書き方も変わってくるのです。

なので、まずは“誰に”“何を”伝え、“何処に”導くのかを意識して書くようにしましょう。
そうすることで、飛躍的に記事力がつくはずです。

文章力は、記事力があってはじめて効果が出ますからね。

2015年11月19日木曜日

あなたに望まれているコンテンツとは

ブログなどを始める場合、必ず、ターゲットの設定をしなくてはなりません。
私の場合、出版実現コンサルタントという職業柄、読者ターゲットは“出版したい人”です。

では、その“出版したい人”が求めているコンテンツというのは何でしょうか?

もちろん、出版するためのノウハウですが、それだけだとコンテンツはすぐに枯れてしまいます。
なので、もっとターゲットを細分化する必要があるわけです。

そこで、“出版したい人”にはどんな人がいるのかをもっと掘り下げて考えてみます。

・出版する本当の効果を知りたい人
・出版するメリットを誤解している人
・出版する企画が考えられない人
・出版企画を立てられない人
・出版企画書の書き方が分からない人
・出版社への売り込み方が分からない人
・出版契約の段取りが分からない人
・自費出版と勘違いしている人
・出版に対して懐疑心を持っている人
・他の出版プロデューサーに騙された経験のある人
など

同じ“出版したい人”でも、これぐらいは細分化できるわけです。

細分化したところで、どのターゲットも自分の見込み客になり得ますよね。
つまり、どのターゲットの悩みにも、あなたが回答を提示し、信頼関係を構築して、集客できるということです。

そして、細分化したそれぞれのターゲットが求めているコンテンツは違うことは分かりますよね。
れぞれのターゲットが抱えている悩みが違いますから…。

逆に言えば、ここまで細分化することで、抱えている悩みは、より鮮明になります。
あとは、その悩みをひとつづつコンテンツに落とし込んで、解消していけばいいのです。

ブログのネタに困っている人、なかなか継続できない人、ブログを書くのがストレスな人、それらの多くは、ここまでターゲットを細分化していない人がほとんどです。

継続的にブログを運営するためにも、まずは自分のターゲットを決め、そのターゲットをさらに細分化していきましょう。
そして、その細分化したターゲットが抱えている悩みをリストアップして、その回答をブログ記事にアップしていけば、ブログ運営を継続することにストレスを抱えることはなくなります。

もちろん、ターゲットを細分化して、それぞれの悩みに対して記事を書いていくわけですから、読者も「私のこと?」を思ってもらいやすくなります。
そうすることで、読者のハートに突き刺さるコンテンツを書くことが可能になるのです。

2015年10月20日火曜日

継続することを考えよう

メディアを運営するのであれば、継続が命です。
そして、継続を意識すれば意識するほど、パソコンの前で手が止まるという状況なのではないでしょうか?

でも、実は、そんなに難しいことではないんです。

最初から継続可能なテーマを考えておけばいいんです。
仕事に関するメディアであれば、日々日常業務で起こることを記事にしたり、ネタ元のサイトをベンチマークしておいたり…。

例えば、日々日常業務から記事にするのであれば、お客さんの成功事例、失敗事例、お客様への文句、感謝などを何かが起こる度に書いていきます。
そのお客さんはなぜ成功したのか、失敗したのか、こういうコトはしちゃダメですよとか、こんなことしてもらいましたとか…。

あくまでも、自分のコトを書くということではなく、読者に有意義な情報として書くというのがポイントです。

ネタ元をベンチマークする、一番、手っ取り早い方法は、Q&Aサイトですね。
自分の分野に関する質問を見つけたら、その質問の回答を自分のサイトで展開すればいいわけです。
いつでも、誰かが質問をしてくれますので、それだけでもネタが枯れることは回避できます。

ネタ元をベンチマークする、もうひとつの方法は、競合のメディアです。
競合も同様にブログやメルマガを運営している場合、そこをベンチマークしてみてください。
そして、そこに書かれた内容に反論していくだけでいいんです。
反論としっても、「○○さんがこう言っていますが…」と名指しにするのではなく、「最近、こういうことを言っている方もいらっしゃるようですが…」と相手を特定せずに書き出します。
この方法だと、競合が何かを書くたびにネタが発生するので、ネタが枯れることはありません。

まぁ、いずれにしても、ゼロからネタを掘り起こして書き続けるには限界があり、それでもそれを続けようとするとストレスになっていきます。
ストレスになると、更新が止まってしまい、どんどん強迫観念にとらわれることになって、ますますパソコン前で手が止めるというスパイラルに陥るんです。

だったら最初から無理をせず、読者に求められる内容、知って欲しい内容を自分の日常業務やネタ元サイトから探すクセを作ってください。
そして、「こういうコトがあったら、こういう記事を書こう」といくつも決めておいて、そういうことが起こる度に記事を書けば、継続のストレスからも解放されることでしょう。

2015年8月19日水曜日

長文を書く場合

ブログは、1記事1コンテンツが基本です。
つまり、1記事につき、言いたいことはひとつということです。

しかし、書籍やセミナーなどになると、そういう訳にはいきません。
かといって、前から順番にダラダラ書いていっても、読者は飽きてしまいます。

そこで、今回は長文の場合の原稿の書き方を書こうと思います。

そうはいっても、できるだけ言いたいことは細かく分けます。
書籍であれば1節ごと、セミナーであればスライド1枚ごとに言いたいことはひとつにするべきです。

で、問題なのが話しの流れですね。

では、読者に飽きさせないようにするためにはどうすればいいのか。
そのポイントのひとつが、話しの見通しをよくすることです。

例えば、ノウハウを話すのであれば、最初にルーチンを紹介するのです。
各工程を紹介しつつ話しの分岐を作っておき、後で各工程ごとに細かく解説していきます。
次にどんな話しがくるのか分からないままに文章を読むよりも、全体像を把握して読んだ方が体系的に理解することができるんですね。

あと、もうひとつ。
それは、たんに前から順序立ててポイントを書くのではなく、最初に列挙するようにしてください。

列挙するというのは、先に「〜について3つのポイントがあります」と書いて分岐を作り、その3つを順番に書いてていきます。
そうすることで、このことに関する説明は3つあるということを理解しながら話しを聞けるので、聞いていて安心感が持てるのです。
これが逆に分岐を作らずに文章を書いていくと、読者は「この話しはどこまで続くのだろう?」「次はどんな話しをするんだろう?」「あ、次もこのことに関することか…」など、内容とは違う部分に意識がいってしまいます。

前者のように話しの見通しをよくすることを直列分岐といい、流れで説明する場合に用いる手法です。
そして、後者のように同じ扱いのものを列挙して説明することを並列分岐といい、網羅的に説明する場合に用いる手法になります。

いずれにしても、長文を書く場合は、必ず、読者が理解しやすいように分岐を作って読者が理解しやすいように工夫してあげましょう。
これは書籍などで多用するテクニックなのですが、読み手の理解も間違いなく深まりますので、是非、覚えておいてください。

2015年7月22日水曜日

編集者の必要性

弊社は、出版プロデュース会社としてソーシャルメディアでは活動しておりますが、本業は編集プロダクションです。
つまり、出版社の編集部の代わりとなって、本の編集を行う編集者軍団。

こういう仕事をしていて思うので、編集者の必要性ということです。

皆さんは、編集者の仕事というのは、何だと思いますか?

一般的には、企画立案、スケジュール管理、原稿依頼、原稿整理、原稿修正、校正、割付など、幅広い職務範囲を担当し、出版社や著者により、職務範囲が微妙に異なります。
ただ、これはあくまでも出版物の話しです。

私が編集者をしていて思うのは、出版物と他の媒体のクオリティレベルの違い。

出版物が圧倒的にクオリティレベルが高いのは、編集者の存在によるものなのではないでしょうか。
だって、著者が自分の書きたいことばかりをコントロールしているのも編集者、上がってきた日本語と思えぬ日本の文字の羅列をちゃんとした日本語に変換するのも編集者、読みやすい文章、見やすい誌面にするのも編集者ですから…。

そして、何よりも編集者が必要だと思うが、クオリティレベルの管理です。

これは実際にあった話しです。
著者さんは、情報商材などをたくさん出されていて、原稿は書き慣れている方でした。
そして、上がってきた内容もしっかりと読者目線になてますし、日本語としても問題なく、とても読みやすい原稿でした。

ただ、残念なことに、内容がちょっと薄い…。

そこで、私が「この原稿だとちょっと薄いので、もう少し、濃い内容にしてください」とお願いしました(もちろん、本人には具体的に書き足す内容を指示しております)。
ところが、その著者さんは「え〜、こんな感じで十分でしょ」と言われたのです。

もちろん、本の定価から考えれば、これぐらいでも及第点はもらえるレベルにあったと思います。
しかし、それでは、読者の読後感としては「まぁ、こんなもんかな」です。
でも、著者として本を出版する以上、読者には「この本はヤバイ!この著者さんは素敵だ〜」ぐらい言わせて欲しいと私は考えます。

なので、何度も、何度も、書き直しを依頼し、やっと仕上がり、本として刊行され、とても売れていて、レビューもいい感じについてます。
もちろん、メルマガの読者も増え、セミナーへの集客もでき、読者の多くが著者のファンになってくれています。
結果、そういう本を出せて、著者の方にも大変喜んでいただきました。

でも、これって、編集者がいなかったらどうなっていたでしょうか?

自分の物差しでクオリティレベルを判断し、そのまま出版していたら、このような結果は生まれていなかったはずです。
これだけいろいろと書き慣れている著者であっても、そのクオリティレベルを図りかねてしまいます。

逆にいうと、世のメルマガやブログ、情報商材、電子書籍など、ほぼ全てのコンテンツがそんな状態になっているように思います。

自分ではこれでいいと思っているレベルというやつですね。
ところが、そのレベルというのは、あくまでも及第点レベルであることが多く、読者をファン化させられるほどではありません。

そこを客観的に見て、自己満足のレベルから、さらにもうひとつ高いレベルに引き上げてくれる存在、そこに編集者の必要性を感じてしまいます。
何もプロの編集者である必要はありませんが、何かコンテンツを作った時、冷静な客観的な視点でクオリティレベルをチェックしてくれる存在を確保しておくことは、これからの時代に必要な気がします。

2015年6月23日火曜日

偶然ではなく、必然

ノウハウを情報として発信している人は多いですが、そのほとんどが情報を発信することが本業ではないと思います。
それ故、本人は情報として発信しているように思っていても、それが情報として成立していないことがほとんどです。

情報として成立していないとはどういうことか?

これは、もちろん伝え方や論理展開といった表現の問題もありますが、今回はそういうことではありません。
その情報に意図があるのかということです。

私は、出版のお手伝いを仕事としておりますので、本を出版したいという方が、たくさんいらっしゃいます。
そのほとんどが、自分が成功したので出版できると思い込んでいます。

もちろん、出版してどうにかなりたい人よりも、どうにかなったから出版して欲しい。
でも、そのどうにかなった過程に意図がなければ、それは情報としての価値がないということです。

多いのは、自分がやってどうにかなったので、その過程をノウハウとしてお伝えしたらいいと思っています。
しかし、重要なのはそこに意図があるのかということなのです。

どういうことかというと、その過程において、自分なりの仮説を立てて、検証を行い、成果が出たのかということ。

たんにやったら成功したというのであれば、それは偶然かもしれないし、運かもしれない、はたまた奇蹟かもしれません。
そうだとしたら、その情報に再現性がなく、そこには情報の価値はないということです。

実際、そういう人に原稿を書かせてみると、なぜそうなったのかを上手く説明できないため、薄っぺらい原稿になります。

逆に、しっかりと仮説を立てて、検証を行い、成果を出した人は、説得力のある原稿になるんです。
なぜそれをしなければならないのか、どうして成功したのかがしっかりと書かれているわけですからね。

なので、ノウハウを情報として発信される人は、是非、そのノウハウに取り組む前に仮説を立ててみてください。
「これをやったら、こういう理由で、こうなるんじゃないか」ということを考えて取り組むということです。
それで結果がでなければ、どこに問題があったのかを検証し、結果が出たら、逆のことをやってみて本当に失敗するのかを確かめてみる。
そうすることで、そのノウハウはしっかりとした裏付けを持つ説得力のある情報となります。

意外と、そういうことを考えずに、ただ自分の経験だけをベースに、あたかも成功ノウハウのように情報として発信する人が多いですからね。

情報を発信する場合は、必ず、仮説を立てて、検証を行い、成果を出してから、それを意図として情報を発信していきましょう。
そうすることで、読み手はあなたの情報に納得し、書き手であるあなたのファンになることは間違いありませんよ。

2015年5月22日金曜日

書店の変化に気づこう

私は、出版したいという方にアドバイスをしておりますが、必ず言うアドバイスが「書店に行って、自分の書籍が置かれる棚を定期的に見るようにしてください」と言っています。

理由は、そこにどんな本があって、どんな本がないのか。
どこに隙間となる企画があるのか、どういう本が目立つのか、今、流行っている本はどんな本なのか。
書店に行って、自分の書籍が置かれる棚をベンチマークして、定点観測をすることによって分かることが、非常に多いのです。
そして、そこから出版しやすい企画を考えることは、さほど難しくないんですね。

でも、これは出版に限ったことではありません。

ウェブであっても、自分の発信しているテーマの棚、自分がターゲットにしている人が行きそうな棚をベンチマークすることで、次に流行ることが分かるようになります。
次に何が流行るかが分かれば、先回りして情報を発信しておけば先行者利益を十二分に享受することができるわけです。

では、なぜ、書店なのか?

書店というのは、基本的に定価の15%が取り分。
その15%の取り分の積み重ねで経費を捻出し、利益を確保しています。
ということは、本を売れなければ書店は潰れてしまうということです。
そのために、書店は、今、何が売れているのか、これから何が売れているのかを考えながら、棚で平積みや面陳して目立たせる本を決めています。
つまり、そのラインナップが、今、売れている本、これから売れそうな本ということなのです。
しかも日々替わっていきますので、定点観測で継続的に変化の流れをつかむことで、これからの流れを予測することも可能だということです。

出版にせよ、ウェブにせよ、先を予測して先回りすることが何より重要ですからね。

直近の過去のニーズは、キーワードツールなどで見つけることができません。
でも、それは今より少し前の話しでしかありませんよね。
しかも、ツールは誰でも使えるので、みんなが同じ動きをします。
そこから抜け出すためには、人とは違う情報源を持たなければいけませんし、予測し先回りするノウハウも必要だということです。

そういう意味で、うまく書店を活用してみてはいかがでしょうか?
書店の動きは、本を購入するという対価の伴う環境下での情報の流れですから、かなり信憑性の高い情報を得ることができますからね。

ただ、書店には書店の顧客層があります。
ビジネス街の書店と町中の書店では、来店する層が違いますよね。
そうなると、当然、ラインナップも替わってきます。

なので、自分がターゲットにしている層が多く来店する書店をベンチマークするようにしたり、複数の書店に行って情報を収集すようにしてくださいね。
そうしないと、偏ってしまう場合がありますので。

2015年5月13日水曜日

文章のライティングについて

今、書店では文章の書き方に関する本が売れています。
売れていると、当然、そういう本の企画を出版社に求められます。

しかし、“文章の書き方”ってひと言でいいますが、実は奥が深い。
まぁ、日本語自体、奥の深いものですからね。

で、出版社の方と打ち合わせをすると…。

・共感を与えたい文章の書き方
・商品を売るための文章の書き方
・SEO対策のための文章の書き方
・難しいことを理解させる文章の書き方
などなど

こんな要望をいただきます。

確かに文章というのはひとつの括りですが、とてつもなく幅広く、目的に応じて使い分けられるものです。
それらをかなえる一冊なんて、作れる訳がありません。

そりゃ、それぞれに数多のテクニックは存在します。
網羅的にまとめて一冊にすることは難しいことではありません。

しかし、文章本を買う人は、文章を書きたくて本を買うわけじゃないんです。

書いた文章に共感してもらいたいから本を買うんです。
文章だけで商品を売りたいから本を買うんです。
検索結果で上位表示をしたいから本を買うんです。
相手に理解して欲しいから本を買うんです。

これらは、全てニーズが違いますし、選ぶ本も違います。
「みんなが文章の書き方に困っているから文章の本を出しましょう」では本は売れません。

文章はあくまでも伝えるためのツールです。
ツールである以上、目的を持って使わなくてはなりません。

ただの文章本では説明書と同じですからね。

何か情報を発信するのであれば、必ず、考えなくてはならないことがあります。
それは、スタートとゴールです。
つなまり、“どういう人”を“どうしたい”のかということです。
その橋渡しをするのが、文章の役目になります。
そして、スタートからゴールまでをどうつなぐのかがテクニックということです。

そこを深掘りして考えると、結局、文章のライティングというのは、“誰に”“何を”伝えるのかということなんです。
それ以上でも、それ以下でもなくね。

常に“誰に”“何を”伝えるのかを意識していたら、おかしな文章に絶対にはなりませんよ。

ということで、これから文章を書くとき、何かを発信しようと思ったとき、常に“誰に”“何を”伝えるのかということを意識してみてください。
それだけで、絶対に文章は変わってきますから。

情報を発信するときに考えるべき優先順位

情報を発信する場合に考えなくてはいけないメリットと優先順位について書こうと思います。

誰でも、何か情報を発信する場合、常に誰かのためになることを意識します。
誰のためにもならない情報であれば、発信する意味がありませんからね。

では、その誰かは誰なのかということから考えてみましょう。

出版であれば、一番最初に思いつくのが読者ですよね。
そして、出版社、著者というところまでは容易に想像できると思います。

そして、もう一歩踏み込んで、社会ということまで意識してください。

情報は、読者が喜べば何でもいいわけではありません。
出版社にとっては売れなければ意味がありませんし、著者にとっては大変な思いをしてわざわざ情報を発信する以上、何かしらの見返りがないのであれば、やる意味がありません。

でも、それだけではなく、その情報を発信し、受け取った人間がそのコトを活かすことによって社会的に意義があるかということまで考える必要があるんです。

もし、自分が発信した情報を活用して、犯罪が頻発するような社会になってしまったら、どうでしょうか?

昔、「完全自殺マニュアル」という本がありました。
この本には、痛くない自殺の方法や死んだ後も誰にも迷惑をかけない自殺の方法、美しく自殺する方法などが書かれていたのです。
当時、中高生がいじめなどで自殺をすると、よく部屋の中からこの本が見つかったものです。

あまりにセンセーショナルな内容だったので、ベストセラーになりました。
売れたので出版社は大喜び、著者もテレビに引っ張りだこ、マニアな読者からも絶賛の嵐という状況だったのを覚えております。

しかし、その結果、この本を読んで安易に自殺をする若者が増えた事実もあります。

では、この著者は、本当にこの本を出版したことを後悔していないのでしょうか?

著者として、面白い本を作ろうとした結果、できあがった本なのかもしれませんが、このような影響を与えてしまった以上、決していい気持ちではないでしょう。
たぶんですが、こうなる予測はできたとも思うんです。

これは、ちょっと大げさな事例かもしれません。
もっと身近な事例をお話ししますね。

先日、某所で開催された出版企画勉強会で、ある方が業界の抜け穴を狙ったある方法の企画を提案されました。
(分かりやすくいうと、「出版社の弱みにつけ込んで出版する方法」みたいな企画です)

間違いなく、読者が知りたい情報です。
そして、売れそうなテーマなので、出版社に企画書を出せば間違いなく通るでしょう。

でも、この情報を表に出すということは、その本を読んだ読者が、みんなそのことを実行する可能性があるということです。
そうなったら、その業界に多大な迷惑をかけることになります。
そして、迷惑をかける原因を作ったその著者は、間違いなく、その業界から干されるでしょう。

結局、何がいいたいのかというと、何か情報を発信する場合、お金を出してくれる出版社、本を買ってくれる読者、そして、発信する本人である読者にとってのメリットを考えます。
ここまでは間違いではないのですが、もう少し視野を広く持って、その情報が広まった先に明るい未来があるのかどうかというとことまでを見据えて欲しいということです。

どうしても、コンテンツを作っていると、目先で関わる方々のメリットばかりを考えがちですからね。

少し肩の力を抜いて、ちょっとだけ視野を広げてみてください。
私は、自分の作った本は、娘に読ませても恥ずかしくない本しか作らないと決めています。
そうすることで、その情報を世に出す影響ということを、自然と意識するようになりました。

皆さんも、一度、そんなことを考えてみてください。

ソーシャルメディアがこれだけ普及した以上、これからは情報を発信する側の責任というものが、どんどん重くなるはずですよ。

2015年2月20日金曜日

やっぱりメルマガですね

私は、今までに数々の著者さんをプロデュースしてきました。
キャンペーンでしっかり著者さん、あまり売れない著者さん…いろいろいらっしゃいます。

では、その違いは何なのかというと、メルマガなんですね。

やはり、キャンペーンのような短期決戦で本を売るという意味では、最強のメディアはメルマガです。
そのメルマガをしっかり運営しているかどうか。

それは、“数”と“質”です。

“数”というのは、読者数ですね。
日頃から、読者を増やすための行動を取っているのかどうか、そして、読者に解除されないように優良な情報を発信し続けているかということがポイントになります。

“質”というのは、精読率です。
しっかり最後まで読んでもらえるようになっているかどうか、そして、筆者として信頼され、応援される存在になっているかということがポイントになります。

“数”と“質”を追い求めると、結局、優良な情報ということですね(笑)

優良な情報を発信し続けると、読者のファン化が進みます。
読者のファン化が進むと、読者に意見を求めたり、反応を取ることができるようになるはずです。
反応を取れるようになると、ニーズ調査も可能になります。
ニーズ調査が可能なら、より喜ばれる情報を発信することが可能です。

こうやって、メルマガで優良な情報を発信しつづけることで、読者とのコミュニケーションが可能になり、さらに優良な情報を発信することができます。
この繰り返しの中で、書籍のネタ出し、企画の精査もできるようになりますし、本を出版したら売れるようになるということです。

もし、出版を目指すのであれば、そこを意識しながら、“数”と“質”を追求したメルマガの配信を積極的に行ってみてください。